Hypercube: d&bを利用し、国のための革新技術を
ドミートリー・メドヴェージェフがロシアの大統領だったころ、彼は新たな研究・革新の地として、Skolkovo,の確立に取り組みました。「この狙いはここモスクワにシリコンバレーの種を蒔くことにありました。」と説明するのは、このプロジェクトの開発を請け負う ARMO-GROUP社のAlexander Minkov氏です。「この開発プロジェクトの一部にHypercubeがあげられます。ここに最初に建てられたビルがロシア語で『革新の街』をあらわす『Innograd』です。」その土地固有のモダンなスタイルのHypercube。これは、いくつかの会議室を備えたカンファレンスホールをメインとするコンクリートとガラスの大建造物です。「我々はセンター内のアートテクノロジーに最高の革新技術を駆使するよう、委託されています。さらに、最高の品質と信頼性をもった現代的な会議用音響システムの調査に十分な時間を費やしました。」とAlexander Minkov氏はさらに述べています。この慎重な調査の結果、彼らはd&b audiotechnik機器を採用したのです。そのため、ARMO社はARIS社と共に同プロジェクトを実行するとの決定を下しました。Aris社はロシア全域をカバーするd&b audiotechnik販売パートナーとして活躍しています。「さらに、この会社はサポートの良さ、深い技術的な専門知識という点で非常に良い評判を誇っていたからです。」とも彼は説明します。ARIS 社サイドでこのプロジェクトを統制するのは、統合ソリューション部門の責任者でもあるAlexander Soloukhin氏です。「ここは音響的に非常に難しい環境でした。しかもカンファレンスルームは、200名の聴衆に向けた同時通訳付きの会議、フルなAV設備を備えた教育を目的とするもの、そして全ての座席を取り外した音楽フェスティバルとしての用途という3種類の方法で使われることが想定されていました。」この会議室は、広範囲に渡る予測をd&b ArrayCalc シミュレーションソフトを使用して作り上げた後でQ-SeriesをベースにT-Seriesのエレメントをいくつか付け加える形でシステムの選定が行なわれました。「このようなプロジェクトにとってのd&bの魅力とは、音の良さ、という誰もが口調を揃えて言うような理由がシステムの純粋な選択理由でした。更にd&bホワイトレンジの4Sラウドスピーカーと12Sサブウーファー を会議室に設置し、必要であれば、d&b R1リモートコントロールソフトを使用してメインシステムへネットワークで繋げることもできるようになっています。カンファレンスルームの空間要求に適合させるためには、75°という通常の水平指向特性よりも狭いQ-Seriesラインアレイをメインにし、T10をステージ前方に水平に置く形で使用すれば、ここで生み出されるハース効果によって音像定位を下げることが可能となり、これは理想的な選択でした。Q-SUBは床置きに設置することによって、強力なシステムへと変貌することができます。CSAカーディオイドモードのサブウーファー6台が側面に設置されており、これらが大きなガラス壁の室内で大活躍しています。ケーブルは、サブウーファーの取り外しも配置も用途に応じて簡単に行なえるように配置されています。」ARMO社とARIS社は、マイク、同時通訳システム、そしてミキサーコンソールを含む、完全なフルターンキーシステムを提供しました。「ここでは素晴らしいパートナーシップが築かれました。」とAlexander Minkov氏はまとめています。「我々は共にシステムデザインを作り上げ、国のコンプライアンス当局が要求するプロジェクト文書の作成にもあたり、さらに全ての装置の供給および設置を行ないました。また、実際にこれを使用することになる技術者たちには完全トレーニングも実施しました。Innogradで行なう他の開発業務もHypercubeと同じように進めば、メドヴェージェフ元大統領の夢もいつか現実のものとなるでしょう。」