ビョークがd&b Soundscapeでカムバック。
d&b SoundscapeとSLシリーズを駆使したサウンドがビョークが2年ぶりに拠点のアイスランドを離れて行う最初の公演でアメリカ西海岸を圧倒
2019年にアメリカ、メキシコ、ヨーロッパの大規模会場での大成功を収めたビョークのCornucopiaツアー。ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムとサンフランシスコのチェイス・センターにてこのツアーがカムバックする。前ツアーと同様、d&bのパートナーであるSouthby Productions社が、サウンドオブジェクトをベースとしたd&b En-SceneとEn-Spaceルームエミュレーションソフトウェアを駆使したSoundscapeシステムを会場に実装した。
Cornucopiaツアーは、ビョークの2017年のアルバム Utopia をベースに、ルクレシア・マーテルとビョークがクリエイティブ・ディレクターのジェームズ・メリーとともに演出したショーだ。このCornucopiaツアーは、サウンドをクリエイティブなツールとして駆使し、オーディエンスの一体感、没入感を高めることを最終的な目標としている。脈打つような映像と壮大なボーカルが中心となった演劇的パフォーマンスで、観客には全ての感性を刺激するような体験を約束している。
ビョークは、ある北欧の島の灯台にある小さなスタジオでシステムのトライアルを行った後、大きなリハーサルスペースに移動し、Soundscapeのスケーラビリティを体験しながらこのコンサートをデザインしていきた。
アメリカ西海岸での公演では、チームは会場の大きさに合わせて180度に広がるSoundscapeシステムを実装することになった。チームはまた、Gareth Owen Sound社とd&bのパートナーシップから生まれた新しいツール、En-Snapも活用している。En-Snapは、d&b Soundscape環境内でキューベースで簡単にコントロールできるツールだ。このツールは、d&b DS100シグナルエンジンに直接接続し、ワンクリックで全64サウンドオブジェクトのパラメータ値と任意のEn-Spaceルームエミュレーションの設定をEn-Snapのキューとして保存してくれる。
このツアーのFOHエンジニアであるジョン・ゲイルは、各コンサート間でのシステムのスムーズな移行に力を注ぐことになった。
「LAの会場とサンフランシスコの会場、劇場タイプの会場からアリーナへ、と全く異なるスペースへ短期間で移行させなければならなかったんですよ。でも、システムは全く同じパフォーマンスを見せてくれました。どの席に座っていても、本当に素晴らしいカバレージでSoundscape体験をお届けできたと思います」とゲイル。
ここ数年、d&bは特にDS100内でSoundscapeを大きな飛躍させることができるような新開発を続けてきた。「2年の間隔をあけてこのシステムに戻ってきたんですが、d&bがその間製品を開発し続けていたんだって分かったときは嬉しかったですね」とゲイル。
Southby社はこのショーが突きつけるきびしい要件をクリアするために、前回のヨーロッパアリーナ公演で使用されたものをコントロールシステムとステージパッケージとしてカリフォルニアまで空輸することに決定した。そして、メインスピーカーシステムのコンポーネントはEighth Day Sound社が準備することになった。
「SoundscapeはCornucopiaツアーには不可欠なシステムで、その機能は複雑ですが、その柔軟性とスケーラビリティのおかげで世界中で実装することができます」と語るのはSouthby Productions社のディレクター、クリス・ジョーンズ。「Soundscapeが出してくれた結果にはとにかく全員圧倒されました。このシステムのすごい人気のおかげで、Southby社はSoundscapeソリューションのグローバルスペシャリストの一つとしての地位を確立することができたんですよ」。
2019年のヨーロッパ・ツアー中、ビョークはこんな風に語っている。「時間をかけたのはライブサウンドとライブビジュアルの間にシンクロニシティ(共時性)が生まれていることを確認すること。Cornucopiaはそれを実現できたことを祝うショーなの。個人的には、今まで聴いたことのないようなゴージャスなサウンドになったと思っているわ」。