d&b audiotechnikが高雄ポップミュージックセンターをKSL Soundscapeでグレードアップ。
そのユニークな建築で話題を巻き起こした高雄ポップミュージックセンターにKSL Soundscapeが実装され、d&b audiotechnikのオーディオ技術がここに加わることとなりました。
台湾の高雄にあるこの高雄ポップミュージックセンター(KMC)はかつての工業地帯に新しい息吹を吹き込むという自治体の働きかけによって実現されました。現在では、広大な野外ステージ「HI-BREEZEスクエア」、4つのホール、そしてセンター全体の中でも最も象徴的なメインステージ「HI-INGホール」からなる、ユニークかつ超近代的な会場となりました。ホールの一つは建物の外、愛河にかかった橋の受けに建てられています。
ホールとメインステージは小さく分割することもでき、様々な規模のイベントの開催にフレキシブルに対応できる設計となっています。観光名所としても親しまれるこのミュージックセンターでは主にパフォーマンスやコンサートが開催されます。
高雄市政府は、音響の専門家やコンサルタントと協力して、観客が本当に素晴らしい音を体験できるような、将来性のあるサウンドリインフォースメント・システムを設計しました。チームはオブジェクトベースのサウンドという技術的進歩を認識し、センターの多目的ニーズに対応できる最も柔軟でハイレベルなソリューションとしてSoundscapeを選択しました。
高雄ポップミュージックセンターとそのサプライヤーであるTopSound社は、最高のサウンド体験を求め、イマーシブな体験を約束するd&bのSoundscapeとKSLラウドスピーカーをそのメインステージであるHI-INGホールに実装しました。この会場では、KSLの7つのラインアレイ(メインに5つ、アウトフィルに2つ)が吊り上げられ、全帯域の指向性制御を実現しています。
d&b創設の哲学の一つ、つまり観客の位置を問わず誰もが同じように優れたサウンドを体験できるべきだという考え、「リスナーのための民主主義」は、高雄ポップミュージックセンターでも実践されています。d&bのKSL-SeriesとArrayProcessing(AP)、そしてSoundscapeのおかげで、特に会場の後方に位置する音響的に難しい非対称のリスニングエリアにおいてもこの信念はしっかりと貫かれています。
d&b SoundscapeはDante対応の強力なシグナルマトリックスをベースにした革新的なプロセッサー、DS100シグナルエンジンをその原動力とし、無類のカバレージを約束します。
チームは、各サウンドオブジェクトが視覚的および音響的に合致するように、ステージ上で起こっていることを正確に描写するd&b En-Sceneオブジェクト配置ソフトウェアを活用。会場の観客は、どの位置にいても目にするものを聞き、耳にするものを見ることができます。
TopSound社のジェネラルマネージャー、ケニー・リウ氏曰く、「この会場は、設計や構造だけではなく、あらゆる規模の観客数に対応できるという点でも大変ユニークです。KSLとSoundscapeの組み合わせは画期的で、観客が前方にいても後方の隅にいても同じサウンドを体験できる完璧なカバレージを提供してくれます」。
課題はこの非対称な形状だけではありませんでした。この会場は人通りの多いショッピングモールに直接面しているため、会場全体で最適なリアリジェクションを確保する必要もあったのです。
TopSound社のジェネラルマネージャー、ケニー・リウ氏は、「ショッピングモールが隣接しているからと言って、それが公演にとって問題となってはいけませんから」と述べます。「d&b SL-SUBカーディオイドサブウーファーの優れたリアリジェクションには皆驚かされました。このサウンドコントロールは本当にありがたいものです」。
2021年2月3日、このセンターはKMCのHi-INGホールで開催された技術検証会議をもって正式にオープンしました。検証会議の一環として、何百人もの音楽関係者が招かれ、この特別なシステムを体験しました。この会議は、ロック、フォーク、ヒップホップと、異なる音楽のスタイルやオーケストラの編成など、さまざまな観点からミュージシャンを選んで招待し、参加した音楽関係者が、様々なジャンルの中でシステムがどのように作動するかを厳密にテストし、フィードバックを提供しました。
大掛かりな設置はコロナ禍、つまり渡航が厳しく制限されていた時期に行われたため、d&bチームは現場に行くことができませんでした。しかし、d&bのバーチャルウェビナーで行われたトレーニングに参加した関係者たちは実装を見事に完成させました。
「d&bは全ての段階で私たちをサポートしてくれました。そして、d&bのオンライントレーニングでは色々なことを学べたので、自信をもってシステムを構成していくことができました」とリウ氏。「極めて壮観な会場ですからそれに見合ったサウンドシステムを求めていたのですが、d&bはそれ以上のものを提供してくれました。そして、この唯一無二のシステムを唯一無二の会場で観客に体験してもらえることは本当に嬉しいことです」。