Viking Line's Cinderella has a Ball
港に停泊しているMS Viking Cinderella号を姿を見れば、今の経済事情の中で非常に高価でラグジュアリーな船舶が海上でお金を生んでいるということが頷けると思います。Viking Lane社はこのような海上を移動しながら提供されるサービスの能率を統率することにおいて名手と言える存在です。しかしながら時には港に停泊中にやらなければならないこともあります。「本船は今年既に3週間も停泊しています。」と説明するのは同社のAVコーディネーターであるJouni Sironen氏。「船内のディスコのメンテナンスやナイトクラブの改修、これを含むその他のメンテナンスも停泊期間中に同時に行う必要がありました。」 もしこれを聞いて簡単でよくあることだと思われ方もいるかもしれません。しかしSironen氏の更なる説明を聞けば見解が異なることと思います。「当社の船の基準は法定以上に厳しくなっています。例えばケーブルはハロゲンフリーの物を使用し、且つ堅牢に編まれたもの、若しくは1メートル毎にケーブルトレイにて固定する必要があります。ラウドスピーカーに関してもキャビネットの荷重量だけではなく、常に揺れていること、時には海上がしけた時の大きな揺れにも耐えられなければなりません。そのため火災時などを想定すると溶接するということだけが唯一可能な取り付け方法になります。電源も船のプロペラやウインチ、車の積載用のデッキ等が動作することによって変動するため常に230V、50 Hzの安定した電源を得ることができないと言ったように使用及び使用環境が他の多くの環境と異なります。一般的にエンターテインメント用の機材はツアー等で使用する運搬や積み下ろし等への配慮はされていますが、それらは使用中の揺れなどは想定されていないかと思います。年間毎日8時間使用する我々のような使用環境は良い耐久テストとも言えます。恐らくこのような極限の使用環境で使用出来れば他のどんな場所や使用環境でも使用できるといっても過言ではないと思います。」
もちろん常に極限と言うわけではありません。これは何故Cinderella号がバルト海にあるフィンランドの島Mariehamn(本船の母港はフィンランドの豪華客船であるにも関わらずスウェーデンのストックホルムです。)に入港したかの理由でもあります。首都ヘルシンキを拠点とする音響機器ディーラーであるSoundata社は全ての機材の準備を完了しその入港を待っていました。これは海上における様々な固有の要件を満たすためにVikings社が常に機材の設置の指揮を取るためです。ナイトクラブには既にd&bのラウドスピーカーシステムが導入されていますが、今回はディスコのシステムを全てd&bに改修しました。これらの仕様は船の技術者Johan”Backus”Backman氏が源設計を行い、Sironen氏が承認をして行いました。「Backus氏が社内で一番d&bを熟知しています。」と説明するのは恐らく同レベルの知識を持っているSironen氏。彼らが最終的に選択したのはE-SeriesラウドスピーカーとQi-SUBを基本としたシステムでした。
「以前のシステムは常に何らかの修理が必要な状態でした。」とSironen氏。「10年間、毎年365日、一日8時間使用してきたシステムはあちこちにガタか来ており交換の時期だったと言えます。我々は既にナイトクラブ及び船内の各所でd&bを使用しており、その音質と耐久性を良く知っていたのでディスコへの導入も迷うことがありませんでした。」