d&bのKSLが、エド・シーラン ”Mathematics Tour インド公演”を支える最高のサウンドを提供
エド・シーランのWorld Tour Mathmatics は、2月にインド公演を成功に終えました。音質に一切妥協せず、軽量かつ柔軟なシステムが求められる中、d&b audiotechnikの革新的なSL-Seriesに属するKSL PAシステムが採用されました。今回のツアーは、インドのライブツアー業界においてもいくつかの注目すべき"初"を達成し、観客を魅了しながら素晴らしい音を届けました。
世界中を巡るMathematics Tourの一環として、インド・ムンバイを拠点とするプロオーディオスペシャリスト、NJSM ProSound Pvt Ltd(SOUND.COMグループ)が、難易度の高い環境であるインド公演のためにd&b audiotechnikのKSLサウンドシステムを採用。さらに、インド公演の直前には、ヒマラヤの小国ブータンで同国初となる国際コンサートを実現するという歴史的なマイルストーンも達成しました。全公演を同じ会社が SL-Series でサポートするのはインドでは初めてのことです。
広大なインド全域を横断するツアーで、円滑にシステム設計・供給を進めるために、NJSM ProSoundのチームはd&b IndiaのEAS(Education & Application Support)担当者ニール・リーンと密に連携しました。
インド公演では、これまでの360°イン・ザ・ラウンド形式ではなく、よりシンプルなエンドオン形式が採用され、タイトなスケジュールにも対応可能なセットアップが実現されました。KSLシステムが選ばれた理由は、ツアーPAシステムの移動を最小限に抑えつつ、必要に応じて地元の在庫を活用できる柔軟さと、複数都市での利用が可能な可搬性の高さにあります。さらに、KSLの卓越したカーディオイド性能と帯域全体での優れた指向性によって、ステージから客席の端まで、どの会場でも一貫してクリアで高品質なサウンドを届けることができました。
システム設計では、メインにKSL8/KSL12を片側16キャビネットずつ吊り下げ、片側に10台ずつのSL-Subsをフライング配置。さらに、エンドファイア配置で24台のSL-GSubsをグラウンドスタックしました。これに加えて、フロントフィルとしてd&bのV8およびV12キャビネットを使用し、ディレイには会場ごとのニーズに応じてKSL、XSL、Vシリーズが用いられました。
チームにとって最大の課題は機材の運搬・輸送手配でした。インドはヨーロッパ(ロシアを除く)とほぼ同じ広さがあり、早朝に都市に到着した機材を、午前10時までに調整されたシステムへと仕上げる必要があったのです。さらに、各会場で適切なアンプラックと接続環境を整えることも大きな課題でした。
しかし、d&bのシステムは専用ドーリーや統合リギングソリューションを備えており、d&b Indiaの専門的な現地サポートのおかげで、各会場で迅速かつ的確に吊り込み・調整が行われました。
また、d&bのSL Seriesを特徴づけるKSLの卓越したカーディオイド性能により、音楽は歪みやハウリングなく、会場全体にクリアに届けられました。世界的なアーティストにふさわしい、理想的なソリューションとなりました。
エド・シーランのツアーサウンドチーム(FOHのサイモン・ケンプ氏、システムエンジニアのアダム・ウェルズ氏)は、観客からの好意的なフィードバックに共感し、卓越した音質だけでなく、現地スタッフの献身的な対応とプロフェッショナルな姿勢に感銘を受けたと話しています。