China's National Day.

地球上で最も人口が多いとして知られるこの国でも20万人もの人々が天安門広場へと集まる風景を眺めると圧巻といえるでしょう。オリンピック開会式前夜は周辺の幹線道路を含めて厳戒態勢が敷かれたこの場所ですが、広く囲われたこの広大な広場の北側で北京のイベントスペシャリストZenith社の音響チームが中国の近代国家60周年記念イベントで完璧なショーを期するためにリハーサルを行っていました。 イベントは10時から12時まで行われた非常に大勢の軍隊によるパレードから始まり、その数時間後には午前中の逞しいイベントとは対照的でソフトでより繊細なイベントに移りました。このショーは、歌と踊りそして息を飲むほど素晴らしい人々による照明と色によるマスゲームでした。 中国の「顔」とも言えるこの場所で行われたこの巨大なイベントは目には見えない技術サポートによって支えられていました。これはTVで報道されたニュースをどれだけ繰り返してみても何処にスピーカーが設置されているか分からないほどでした。しかし間違いなくそこにはスピーカーがあり、しかも多数設置されていました。「Zenith社は中国でも有数なd&b audiotechnikシステム所有会社です。」と語るのはd&b中国、香港のDaniel Chan氏。同社はZenith社をサポートするために何人かの技術者を派遣していました。「このショーにはZenith社から約50台のJ-Seriesが供給され、昨年行われたオリンピックの開閉会式にも深く関わった中国でトップに位置するJin Shao Gang氏のサウンドデザインによって天安門広場を囲むように設置されました。」このようにZenith社は多くの国が主催するイベントと強い絆をもっています。「しかしJin氏にとっては今回がJ-Seriesを使用した初めての大型イベントになりました。」とChan氏。「ただし、以前使用したことはもちろんありました。」 Jin氏が配置したJは、広場中央を交差するように4台のJ8をスタックで設置し、パフォーマンスが行われるエリアとその後方をカバーするようにセッティングされました。「想像してみてください。この広場は非常に広大なのです。」とChan氏。「約100mまでをカバーしなくてはなりません。もちろん広場の外側には他のPAシステムを設置する必要がありました。これらは全てZenith社から供給されましたが中でもシンガーが歌う場所、そしてその上にある国家首脳席がある中央部分は最も重要な場所になります。」 オペラやポップミュージック、そして現在主流の音楽の総勢58名の中国のトップシンガーによるパフォーマンスは100分の間に代わる代わる行われました。「ショーにはメイン卓にはバックアップのために2台がリンクされたDigico SD8とモニターにSD7が使用されました。」とChan氏。「そしてシステムの信号伝送にはLight Viperが使用されました。スタックされたd&bシステムはR60インターフェイス経由のd&bリモートネットワークを使用してコントロールしました。このようにシステムその物は非常にシンプルであったと言えますが午前中に軍隊のパレードがあったためPAシステムの設置開始が午後2時から始まり6時までには完了させなくてはいけない状態でした。」パフォーマー達のリハーサルには6カ月の期間を費やした後、 Zenith社による本番さながらの現地でのリハーサルが8月29日と9月12日に行われました。その日は予め台車上にセットした1～2セットのd&bシステムを軍用トラックに搭載し、広場には定刻に配置されすぐにZenith社のテクニシャン達が一斉に集結しシステムの設定を行いスケジュールより早い時間に進行することが可能でした。 「非常にスムースな進行でした。」と語るのはZenith社のオーナーMr Li, Zhen Xing氏。「近代国家60周年を記念するこのような重要なイベントの一角を担えたことを非常に誇りに思っています。」