d&bワークフロー
統合されたd&bワークフローにより、プロジェクトの立ち上げからプランニングやシミュレーション、現場でのオペレーションに至るまで、一貫して効率的に作業を進めることができます。
仕様要求
d&bの統合ワークフローにより、プロジェクトの初期段階から設計・検証、本番でのコントロールまで、効率的に進行できます。
プラニングとシミュレーション
d&b ArrayCalc シミュレーションソフトウェア
ArrayCalcは、d&bシステム全体をシミュレーションできる包括的なツールです。会場の様々なデータ(正方形か円形か、フラットかひな壇、大規模か小規模かなど)をd&b ArrayCalc シミュレーションソフトウェアに入力します。入力されたシステムは自動的にd&b R1 リモートコントロールソフトウェアのユーザーインターフェイスに反映されます。。
d&b ArrayCalc Exchange
d&b ArrayCalc Exchangeは、SketchUpの拡張機能であり、CADファイルやEASEファイルをArrayCalcの会場ファイル(*.dbacv)に変換し、直接ArrayCalcへインポートできるようにするツールです。このArrayCalc Exchangeを活用することで、モバイルおよび常設の音響システム設計において、複雑な会場モデルの作成作業を大幅に簡素化できます。システムデザイナーの業務をより効率的にサポートするための拡張機能です。
d&b NoizCalc
d&b NoizCalcソフトウェアは、ArrayCalcのデータをもとに、1台または複数のd&bラウドスピーカーシステムから発生する環境騒音を予測します。
その際、音の伝播を国際的な騒音予測基準に基づいて計算することで、高精度なシミュレーションを実現します。
外部シミュレーションソフトウェア
EASEのような音響シミュレーションツールでは、ArrayCalcで作成した設計データをインポートすることで、STI(明瞭度指標)の算出や、反射音や残響特性を考慮したSPL(音圧レベル)の予測が可能になります。これにより、空間内におけるシステムの音響性能をより詳細に検証できます。
d&b Revitファイル
Revitは、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)において、複数の専門分野が連携する建築プロジェクトを支援するために使用されるツールです。CADとは異なり、BIMプロジェクトでは、3Dモデルを用いることで、視覚的により豊かな表現が可能となり、各要素に関する情報もより詳細に含まれています。d&b Revitファイルを使えば、コンサルタント、建築家、システムインテグレーターが、d&bの音響システムをBIMプロジェクトに容易に組み込むことができます。
制御とオペレーション
d&b R1リモートコントロールソフトウェア
d&b Remoteネットワークは、d&bラウドスピーカーシステム全体を、ネットワーク上のどこからでも集中管理・モニタリングできる環境を提供します。
たとえば、コントロールルームのPC、ミックスデスク、あるいは客席のタブレット端末など、会場内の場所を問わずどこからでも操作が可能です。このRemoteネットワークを通じて、d&bシステムのすべての機能にアクセスすることができ、ユーザーの要件に応じてアクセス権限の制限も設定可能です。
さらに、グループ制御機能や、システムおよびデバイスの詳細な診断情報表示、ファームウェアのアップデートなどにも対応しており、d&bのシステムアプローチが持つポテンシャルを最大限に引き出すための基盤となります。
R90 タッチスクリーンリモートコントロール
R90 タッチスクリーン・リモートコントローラーは、あらかじめ設定されたd&bシステムの日常的な操作を迅速かつ確実に行うための 7インチ パネルPCです。
音響の専門知識がなくても直感的に扱えるよう設計されており、誰でも簡単にシステムの基本的な操作が可能です。R90の導入により、d&bのシステムアプローチはさらに拡張され、運用の効率化とともに、ラウドスピーカーシステムの柔軟性が一層高まります。
他社製システムとの連携および相互運用
会場によっては、既存の制御および監視プラットフォームへの統合が必要となることがしばしばあります。 d&bのアンプは、さまざまなメーカーや技術によるシステムコントローラーの多様なプラグインに対応できるよう設計されており、外部システムとの完全な統合を実現します。
また、d&bシステムが通常運用時だけでなく、緊急時にも確実に機能するよう、幅広い機能群と複数のソフトウェアインターフェースが用意されています。これにより、あらゆる環境・あらゆる状況に柔軟に対応できるシステム構築が可能です。
信号処理と分配
d&b アンプ
すべてのd&bアンプには、ラウドスピーカーを最適に管理するための高度なデジタル信号処理(DSP)機能が搭載されています。
オン/オフ可能なフィルター機能、リモート操作機能、ユーザー定義によるコントロール設定など、柔軟な運用を可能にします。
d&bアンプはd&bラウドスピーカー専用に設計されており、すべてのd&bシステムの心臓とも呼べる存在です。
プロセッシング&マトリックス
DS100 シグナルエンジン
d&b DS100シグナルエンジンはd&b Soundscapeの中核をなすDSPプラットフォームです。この専用のオーディオプロセッサは、Audinate Danteネットワークに対応し、64×64のオーディオマトリクスを備え、すべてのクロスポイントでレベルとディレイの調整が可能です。入力処理も充実しており、ゲイン、EQ、ディレイ、極性反転などの機能を搭載。さまざまな入力ソースを組み合わせて柔軟なミックスを構築することができます。さらに、すべての出力チャンネルにも拡張された信号処理機能が備えられており、高度な音響制御が可能です。
DS10オーディオネットワークブリッジ
DS10オーディオネットワークブリッジはDanteネットワークとAES3デジタルオーディオシグナル信号とのインターフェースを担い、さらにEthernetベースの制御信号の分配機能も備えています。この1Uサイズの機器は、アンプの手前に配置され、シグナルチェーンの一部として機能します。
モバイル環境と常設環境の両方において、d&bのシステムアプローチをさらに拡張する役割を果たします。
DS20オーディオネットワークブリッジ
DS20は、Milanオーディオネットワークとd&bアンプのデジタル入力をEthernet経由で接続するインターフェース機能に加え、AVB(Audio Video Bridging)に対応した5ポートのスイッチを内蔵しています。
これにより、プライマリおよびリダンダント(冗長)ネットワークの構築が可能です。また、拡張された接続性により、R1リモートコントロールソフトウェアを使用してノートPCからd&bアンプへの接続も行うことができます。
再生
すべてのシステムの到達点──それが、ラウドスピーカー。
シグナルチェーンの末端に位置するラウドスピーカーは、それまでに行われたすべての設計と設定の成果を反映し、観客に最高の音響パフォーマンスを届ける役割を担います。すべてのd&bラウドスピーカーは、以下の特長を備えています:
- スケール調整が可能
- 高い柔軟性と多様性
- 専用リギングアクセサリーによる最大限の設置効率
- 空間に溶け込む専用塗装仕上げや耐候性塗装にも対応
すべてのラウドスピーカーには、軽量設計、低域まで安定した指向性制御、リギング用ハードウェアの一体化といった特長が備わっており、d&bならではの高品質を体現しています。また、多くのd&bラウドスピーカーには、広帯域パッシブカーディオイド指向パターンも備えており、不要な背面への音放射を抑制します。