ワールドトレードセンター跡地にオープンしたペレルマン・パフォーミングアーツセンター(PAC)がd&b Soundscapeを採用。

ニューヨークの多岐に渡る芸術プログラムに応えるため、PACの3つの劇場は個々に使用することも一つの会場として使用することもできます。舞台と客席の配置の組み合わせは60通り以上あり、90名から950名まで収容可能です。ここで採用されているサウンドシステムは、念入りに開発された“パーツキット”、すなわち芸術的、革新的発想に応えるため、すぐに使用目的を変えることのできる“サウンドデザイナーのための自遊空間”です。

© Iwan Baan

ペレルマンで開催されるプログラムは、室内アンサンブルからフルにPAを使った現代音楽、演劇(ストレートプレイやミュージカル)、ダンス、オペラ、拡声、映画に至るまで、どれも比類なく野心的なものです。そして、64種のうちのどのステージ構成設定を使う場合でも、d&bシステムは伝統的なエンド・ステージ、アリーナステージ、その他多くの舞台形式に適応します。

Soundscapeをすぐに使用、又は設定可能です。

「私たちのアプローチは2つの基本的な考えを軸にしていました。」2013年からペレルマンの劇場コンサルタントを務めているCharcoalblueのシニアコンサルタント、ジョシュ・ローア氏はこう述べています。「まず一つ目は、会場の基本線として常時機能する構成を提供する、という考えです。レンタル機材を使用するイベントまたは短期開催イベントの際、ペレルマンが提供する調整済みの構成設定から選択し、実行できるものです。

© イワン・バーン
© イワン・バーン

この考え方としましては、これらがいかなる設定にも対応するための設計ではなく、常連のサウンドデザイナーが音響会社にいない場合や、演劇スタイルに対応するサウンドデザイナーが不在なことが多い音楽イベントを開催する際のベースとなるもの、いうことです。そして2つ目として、それぞれの会場において自由度の高いサウンドデザインを取り入れ、実現するためにSoundscapeを組み込みたいというものでした。」

限界のない自由度、創造性

Soundscapeはツアーリングシステムとして実に有用です。驚くほど迅速に設置できるように設計されており、複雑なチューニングや設定を行う必要なく、数日ごとに次の会場へと移動し設置することも可能です。ペレルマンの芸術チーム(Charcoalblueの取り組みを評価するために入れられたプロのデザイナーによる審査委員会を含む)は、Soundscapeを繰り返し使用し経験を積む目的で、彼らは「サウンドデザイナーのための自由空間」を生み出すという考えのもと、2つの会場にSoundscapeの使用を集中させました。ここでは強力なオブジェクトベースのパニングシステムを介して、誰でも立体感のあるサウンドを自由自在に操ることができます。

© イワン・バーン

「完全なるd&bシステムを手に入れたこと、そしてSoundscapeが提供する全てを利用できることにとてもわくわくしています」とPAC NYCのリードオーディオのミカ・ザッカー氏は述べています。オープニングシーズン中、私たちは都度システム構成を変更してきましたが、Soundscapeが持つフレキシビリティのお陰で、それらの転換を容易に行うことが出来ました。

「次の上演に移る際、PA構成はそのままでもサウンドデザイナーは変わることがあります。あるデザイナーがボーカルディレイマトリクスを使った後、次のデザイナーがLRとサブシステムを使いたい場合、Soundscapeやその他の製品を含むd&b製品を使用することで、システム構成を迅速に変更する作業がはるかに簡単かつスムーズになりました。次にある構成に戻るときにそれらの設定を呼び出すことも可能です。」

© Iwan Baan

おそらく他に例のないプロジェクトであるこの文化的な分岐点において、ローア氏はペレルマンチーム、音響機器プロバイダーのSound Associates、Masque Soundとともに、宇宙空間のように際限のない技術をもたらしました。ローア氏は、「結果的に、どんなシステム構成でも美しく明瞭なサウンド再生を確実なものにする」と締めくくっています。

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