シネマ・ベルヴォー・ローザンヌ - カルト的存在のアートハウス映画館がd&b Soundscapeを導入。 1959年にローザンヌにオープンしたシネマ・ベルヴォー (www.cinemabellevaux.ch) は、映画ファンの間ではカルト的な地位を誇っています。ジュネーブ湖畔の街に唯一つ残るこのアートハウス映画館は、メインストリームの枠を超えた映画を上映する一方で、朗読やアートパフォーマンスからライブコンサートに至るまでの文化的イベントも定期的に開催し、典型的な映画の形式を越えています。
ブラインダーを使わないという決断
映画館用の新しい音響システムを探していたとき、映画業界の通常の設置関係企業に連絡することは意図的に避けました。友人からd&b audiotechnikのことを聞いたのですが、正直言って、映画館の設備では必ずしも一般的ではないことにチャレンジできるということに興奮していました。スイスのd&bディストリビューター、2M Audioのジェロム・フェティシュさんのサポートのおかげで、様々なd&bのサウンドリインフォースメント・コンポーネントをホールで試すことができました。最初に聴いたときから、こうした優れたサウンド特性を備えたラウドスピーカーこそが、私がシネマ・ベルヴォーで求めていたものであることは明白でした。
シネマ・ベルヴォーのシネマオペレーター グウェネル・グロースフェルト氏
2M Audioの献身的な協力のおかげで、私たちにとって完璧な製品を見つけるまで、様々なラウドスピーカー・モデルを試すことができました。満足のいく優れたサウンドのためには、私たちは何よりもまず映画館であり、コンサートホールではないという事実を常に心に留めておく必要がありました。空間条件は私たちに自然な限界を課し、すべてのリスニングポジションは固定された布張りの座席によって正確に定義されています。建物の上階の隣人に迷惑をかけることなく、快適な音量で緻密なサウンドを再現することが重要でした。それでもなお、劇場でパフォーマンスを行うアーティストのためには高いダイナミックレンジが必要でした。d&bのコンポーネントは、ローザンヌに本拠を置くDupertuis Electronique SA社から供給されました。
シネマ・ベルヴォーのシネマオペレーター グウェネル・グロースフェルト氏
En-SceneとEn-Spaceを装備のd&b Soundscape
シネマ・ベルヴォーは、音響的に透過性のあるスクリーンの背後に、2台のVi7Pポイントソース・ラウドスピーカー (左/右) と1台のVi10P(中央、110度の指向角度)をLCR構成で導入。グウェネル・グロースフェルト氏はこれらを特別なバネ構造のブラケットに取り付けました。レールシステムを使用すると、スクリーンが上げられているときに、トラスに取り付けられたラウドスピーカーを前後に移動できます。ラウドスピーカーの操作に関して少し手間がかかりますが、ホールの様々な使用方法を考えると、これは明らかに良いアイデアです。
私は、3つある一般フロント・ラウドスピーカー・ポジションのために、R1リモートコントロール・ソフトウェアで個別プリセットをそれぞれ保存しました。 シネマ・ベルヴォーのシネマオペレーター グウェネル・グロースフェルト氏
ステージの下には、2台のB6-SUB高性能サブウーファーと2台のフロントフィル(d&b 8S、同軸ポイントソース・ラウドスピーカー)がありますが、これらも観客には見えません。6台のコンパクトなd&b 8Sユニットがホールの両側に設置され、後方は1台の8Sユニットで補足されています。シネマ・ベルヴォーのラウドスピーカー設備は2台のd&b M6ステージモニターで完成します。
そして4チャンネルモデルのd&b 30Dが2台と10Dモデル4台がアンプとして使用されます。これらは、簡易はしごを使ってアクセスできる小さなプロジェクションブースに配置され、すべてのラウドスピーカーに電力を供給します。そしてd&b DS100 Signal Engineがアンプの上流に接続されています。
各シグナルをSoundscapeオブジェクトとして定義し、それを空間内で自由に配置および移動することができます。または、このシネマでの使用目的のためにDS100内で設定したマトリックスを使用します。作曲家がミキシングデスクとSoundscapeオブジェクトをFOHポジションで制御し、2人のミュージシャンが彼の作品をステージで演奏したという実例がすでにあります。 シネマ・ベルヴォーのシネマオペレーター グウェネル・グロースフェルト氏
シネマ・ベルヴォーで使用しているSoundscapeシステムには、オプション利用可能なEn-SceneおよびEn-Spaceソフトウェアモジュールが装備されています。En-Sceneオブジェクト配置ツールの活用は自明のことで、グウェネル・グロースフェルト氏によると、En-Spaceはほぼすべてのライブパフォーマンス——主に小さな仮想空間を使用——で活用されています。
私たちは以前、あるサウンドエンジニアをゲストとして迎えたことがあるのですが、彼はこのホールの中に大聖堂を作ることを希望していました。あれは芸術面での決定でした。En-Sceneで利用できる礼拝空間は実のところ大きすぎましたが、彼は望ましい効果を達成することができました。イベントの観客が完全な暗闇の中に座っていて、想像力だけに頼ることができたということも成功の理由であったことは明らかです。 シネマ・ベルヴォーのシネマオペレーター グウェネル・グロースフェルト氏
活動写真劇場
シネマ・ベルヴォーは、素晴らしくも古風な響きのある「活動写真劇場」という言葉が相応しいユニークな場所であり、現在の支配人もまたこの場所にとって適切な人物であるようです。
ここは人々が集う場所です。アーティストは、彼らのそれぞれの表現形式でここの条件に対応します。地域社会とローザンヌ市のサポートのおかげで、私たちは、商業的な観点だけで上映やイベントを計画する必要がないという快適な立場にいます。好きな映画や重要だと思われる映画を厳密に選んで上映できるのです。同じことがホールで行われるパフォーマンスにも当てはまります。ここの音質は改装後、まったく異なったものになりました。私は新しいd&b Soundscapeシステムに本当に満足しています。エレクトロニックサウンドからスティーブ・ライヒのマリンバ作品、実験的なサウンドから朗読や典型的な映画上映まで、どんな願いもこのサウンドシステムによって完全に満たされます。 シネマ・ベルヴォーのシネマオペレーター グウェネル・グロースフェルト氏
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