フランクフルト歌劇場でのd&bシステムの成功

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ドイツとオペラという2つの言葉を並べれば、たいていの人は、バイロイトやワーグナーの荘重な舞台を思い浮かべるだろう。しかしドイツの、ヨーロッパのオペラに対する貢献は、まだまだ数多くある。

フランクフルト歌劇場がそのよい例だ。1995年から、3回にわたってOperweltマガジン8月号の年間最優秀オペラ座に選ばれている。きびしい批評家50人からなる審査委員会から、そのような称賛を受けるということは、軽視できないことであり、ライブサウンドとCD製作の責任者であるPeter Tobiasch氏は、メインホールの新たな音響システムに、じっくりと時間をかけた、綿密かつ念入りな取組みが行われたことを強調し、次のように語った。

「寸法があと2センチ大きかったら、プロジェクトは中止されていたでしょう。これが、要求された品質レベルを満たせる唯一の中規模ラインアレイ・システムでした。しかもd&b audiotechnikのPAシステムをプロセニアム(前舞台)横のパネル後部に設置しても、観客からの視界をまったく変えないことが求められました。」 伝統的な建築物の特徴は、21世紀の技術者にとって特に目新しいことではないが、それとは別にNies electronic GmbHは、いくつかのチャレンジに遭遇した。Peter Tobiasch氏は、次のように説明している。「私たちは、具体的な技術計画は、自分たちで行いましたが、ドイツの法律では、スピーカーは販売業者を通じて購入する必要があり、選択のために7社に価格と条件を問い合せました。Nies社が、日程、テストのタイミング、いくつかのシステムバージョンの費用の算定を行い、最終的に受注となったシステムに、きわめてよい価格を設定してくれました。」 Nies社が受注したのは、コミットメントと長く続いた関係によるもでもある。「d&b audiotechnikとの、特にアプリケーションサポートと製品管理部のRalf Zuleeg氏とWerner Bayer氏との長期にわたる堅実な関係、そしてNies社のRichter氏の卓越したプロ精神によるものです。」

設置されたシステムは、パネル後部にd&b T10スピーカー、その下にT-SUBとB4-SUBアレイというシンプルなものだ。「ホールと実際のプロセニアムに(前舞台)関して、計画され期待されたアングルを可能にするために、そして観客席エリアの全レベルとバルコニーで最大限の効果を達成するために、標準のTシリーズの設置には、技術上の制約に従いながら適合させるよう、慎重に調整を行う必要がありました。」 Peter Tobiasch氏は、 d&bが達成した成果、そして設置ソリューションの精度に絶対的な確信をもっている。「感知できるような干渉やフェージングもなく、周波数のピークやディップもありません。そして私にとっての、d&bスピーカーの最も重要な特徴は、それ自体のサウンドがないということです。声や楽器だけが聞こえます。つまり音楽や言葉だけでスピーカーの存在が感じられません。以前のシステムもそう悪くはありませんでしたが、 T10、T-SUB、B4-SUBシステム、そして新しいニアフィルのためのQ7は、まったく別次元のもので、別のサウンド哲学で、別の世紀に構築されたもののようで、クリアで、ナチュラル、そして容易にドライブして最高の結果が得られます。」

Peter Tobiasch氏は、観客席の上にCi60とCi-SUBシステムを使ったいわゆる「神の声」システムを構築することに、10年以上にもわたって取り組んできた。彼は2001年にプロセニアム上にCi90の小さな左/中央/右システムを設置することから始めた。「もちろんオペラ歌手たちやメインオーケストラは増幅されません。しかし私たちは、(タイムコレクトされた)B4-SUBも、舞台上のスピーカーとの組み合せで使用しています。これは、劇場内での雷鳴の効果や、大聖堂オルガン曲の効果などのためのもので、観客には、実際にあるいはバーチャルにステージの外から来る音が届けられます。私たちは、このように設置されたシステムを、現代的な要求、特殊なコンサートやイベントに使用します。ここのような忙しいオペラ座でも、多くのそのようなコンサートが開かれます。私は、d&bの装置を23年間にわたって、ツアーやこの劇場で使用してきました。サウンドクォリティに対する私の要求は、きわめて高いのですが、d&bのいわば別次元のサウンドには大いに満足しています。」

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