リーズ劇場がd&b Soundscapeでアップグレード。
2019年末リーズ劇場は、Autograph Sales & Installations社によるSoundscapeの実装を含む1580万ポンドをかけた大規模な改装を完了しました。
受賞歴を誇るリーズ劇場は、ロンドンとストラトフォード圏外では、英国最大の地方レパートリー・シアターであり、英国で最もエキサイティングな劇場の一つとして国際的に高い評価を受けています。1990年に現在のクオリーヒルにウエスト・ヨークシャー劇場としてオープンしたこの施設は、いくつかのスペース増設を含む16ヶ月に及ぶ大規模な改修工事を完了したところです。
750席のメインシアター「クオリーシアター」と420席の小さな「コートヤードシアター」など、劇場の中心となる上演スペースが大幅に再設計され、改修されました。また、これまで使われていなかった地下室を利用し、まったく新しいフレキシブルな多目的スペース「ロック・ヴォイド」も誕生しました。
クオリーシアターのSoundscapeシステムとコートヤードシアター用の小型d&bシステムの設計を支援し、両システムの納品とテスト、そして試運転を行ったのはAutograph Sales & Installations社です。Autograph社のアダム・ブルーム氏は、同劇場のマーティン・ピッカースジル音響部門部長とトム・カスバートソン副部長、そして実際の設置を担当した技術者のロブ・ランデル氏を中心とする劇場の技術チームと密接な共同作業を進めていきました。
このチームは、d&b audotechnikの様々なテクノロジーを駆使した分散型システムソリューションを設計しましたが、その中には、ステージ上のシナリオを正確に描写し、各サウンドオブジェクト(最大64個)を視覚的にも音響的にもマッチさせる注目のd&b Soundscapeも取り込まれました。Soundscapeは絶賛の『メリー・ポピンズ』をはじめ、ウェストエンドの数々の作品に採用されており、その実力は世界各地で立証されています。リーズ劇場は英国の地方劇場として初めてこのシステムを常設システムとして導入しました。
それ以前にクオリーシアターで使われていたのもd&b audiotechnikのシステムで、その性能と素晴らしいサービスに満足していたチームは今回もd&bを採用することに決定しました。
「d&b C-Seriesシステムはどのプログラムでも見事に機能したので、ハラハラしてしまうようなことは全くありませんでした」とカスバートソン氏。「大規模なミュージカルにはもっと大きな機材が必要になると思いますが、それは別の話ですね」。
カスバートソン氏は、サウンドシステムの設計を5つの主要ゾーンに分けたと説明します。張り出し舞台の上部と周囲のメインアレイは、7台のd&b Y10Pと4台のVi-SUBから構成されました。ディレイとサラウンドスピーカーにはxS-Seriesを、フロントフィルにはE-Seriesを選択しました。
クオリーシアターのシステムの処理はすべて、1台のDS100シグナルエンジンと3台のDS10オーディオネットワークブリッジが行い、増幅には3台の30Dと8台の10D設置アンプが使用されました。
「クオリーの機材は最高だって、みんなとても喜んでいるんです。1つ目のブリッジのディレイがもっと大きくなって、2本目のブリッジには追加のディレイリングがあるのが嬉しいです」とカスバートソン氏。「中央のサブアレイの一貫性は大幅に向上したし、En-Sceneのおかげで、観客は席に左右されることなく同じ体験を共有できるようになりました。オブジェクトを360度全方位にポジショニングできるし、En-Spaceのリバーブは創造性と観客の没入感を高めてくれます」。
刷新された音響インフラの品質と性能は、リーズ劇場を壮大でモダンな新しいシアター コンプレックスに変貌させる、という野心的で未来志向の目標に見合ったものでした。こうしてリーズ劇場は、ウェストエンドの多くの劇場と比べても見劣りのしない、要件の厳しい作品やサウンドデザインにも対応できる英国で最も設備の整った地方劇場の一つとなりました。d&bのSoundscapeの導入により、サウンドデザイナーの可能性がさらに広がり、すでに素晴らしい施設であったこの劇場は、次のレベルへのグレードアップを成し遂げました。