d&bがUltrafestでも活躍

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エレクトロニックミュージックフェスティバルのことを考えると背筋がゾッとするかもしれない。しかし実際には思うほど悪くはない。膝の力が抜けるようなサウンドが特徴のUltrafest。世界で最初のエレクトロニックミュージックフェスティバルとして知られ、フロリダ州マイアミで開催されるこの音楽祭は、どんな期待にも沿うような、あっと驚くような音楽祭だ。

マイアミで活躍するBeachsoundは数年前からこの音楽祭で複数のステージの設置に携わり、好評を受けている。Neil Rosenstock氏率いるBeachsoundのイベント音響製作チームは、このスタイルの音楽に深く根を下ろし、素晴らしいサウンドをつくるための強力なノウハウを持っている。「毎年、Ultrafestでd&b audiotechnik systemsを起用しているということ。これはもはや秘密ではない。2012年、我々は両方のステージにJ-Series、Q-Seriesを、そしてフィルとディレイ用としてC7を使用した。d&bのシステムは、どのようなステージサイズにも適切に対応できる。」数多いパフォーマーの中、Justice でFoH エンジニアを務めるFrank Voet氏も、「このサブセッティングを本当に気に入っている。ダンスミュージックは短いキックが必要だ。それがかなえられて本当に幸せだ!」と述べている。

しかし、サブウーファーのセッティングには一定の事前準備が必要だ。Rosenstock氏をサポートする、フリーのサウンドコンサルタント、Harry Brill氏は、「Neilは両方のd&bステージ用としてPA全体を設計した。我々はいくつかの点について議論した。私は非常に長い水平のサブアレイを彼らに提案した。Neilは非常に優秀なエンジニアであり、システム技術者だ。彼と協力して、システムを最適化すること、これが私に課された任務だった。このため、私はSmaart を使用した。このサブアレイは本当に素晴らしい。d&bアレイモデリングソフトによって、テストとチェックが本当に簡単にできるようになるんだ。我々は、パワーアレイがなくてもはっきりと定義できるカバレージが欲しいと思った」と述べている。2012年の音楽祭の会場として使用された緑地公園は、以前の開放的な会場と比べて少しコツが要った。「視界の問題からJ-INFRAはそれぞれ2個ずつ、縦につなげてスタックしなければならなくなった。指向性サブウーファー用として勧められたスペースでは、水平ラインが非常に幅広くなってしまったので、アークディレイ設定をアンプ上で選択しても、カバレージを広げることはできなかった。そこで私は、全てを詰めてみてはと提案した。たくさんの指向性サブウーファーを使用したが、全く迷いはなかった。最悪の場合、アレイの後ろでのノイズ抑制が少し妨げられることになったが、幸い全てが本当にうまくいった。ボックス間の間隔を狭くすると、パターンがうまく広がった。特殊なジャンルの音楽のためには、一定のラウドスピーカーやチューニングが必要という声も聞かされた。しかし、これは違うと思う。全ての周波数でのSPLニーズに対応するシステムであれば、その使用は可能だと信じている。」

Beachsoundの創設者であるAndre Serafini氏は、Ultrafestの成功に向けて長期間にわたって綿密に準備を行なう。「我々は、毎年毎年ラウドスピーカーの数を増やしていった。今年はメインステージとライブステージでJ-ラウドスピーカーの数が増えた。音楽祭がベイフロントパークに移動したことで、程よく込み合った環境が作り出され、会場全体でエネルギッシュさを増した。しかし、特に樹木や噴水などの物理的物体などがあることから、音響技術的にはこれが新たな挑戦となったのだ。これらが何を意味するのかは事前にわかっていたし、この公園内で開催される他のイベントにも携わっている。しかし、今度は音響空間を分け、そのいくつかを独立した音響空間として取り扱わなければならなくなった。さらに、システム全体をコヒーレントにするため、時間調整も必要となった。また、広範囲にわたって屋根に覆われたVIPエリア用としてd&b T-Seriesで構成されたPAを独立して設置した。このエリアはメインシステムから充分に近い場所にあったが、最前列のサウンド体験を創造するためには、中域および高域レベルに注意を要した。聴衆エリアは様々な大きさだった。狭くて長いエリアや幅は広くてもあまり奥行きのないエリアがあった。Harry BrillとNeil Rosenstockは素晴らしい仕事をやってのけたよ。」

Brill氏は、Serafini氏のイベントマネジメントの裏に戦略的な思考を見出し、「Andreとは10年以上もの付き合い。彼とそのBeachのスタッフは非常に優秀だ。我々はできる限り一緒に仕事しようと努めている。彼がd&bのパートナーとなったこと、これは長年にわたってこの業界で活躍する彼が行なった中で最もプロフェッショナルな意思決定ともいえる。私は長年にわたってd&bの大ファンだったが、他のPAメーカーの中にもお気に入りの会社が数社ある。このレベルで対抗できるのは、ほんのわずかのメーカーだけだ。d&b J-Seriesの中で私が本当に気に入っている点とは、非常に均等な位相特性にある。このため、時間応答が程よく安定している。中に入るものは、そのまま外へ出て行くのだ。ミキシングやPAのチューニングが本当に楽しく行なえる。通常私は、PAのチューニングをできる限り中立的に行なって、アーティストに合わせてミキシングコンソールで微調整させるようにしている。これによって、音楽やミキシングをよりうまくPAから伝えられるようになるのだ。いくつかのPAではこれが非常に困難な作業となる。ArrayCalcとR1システムマネジメントソフトを持つd&bは、その中でも特に簡単に取り扱えるシステムだ」と述べている。

この音楽祭が終わるころ、雨が降り始めた。「私はd&bが大好きだ。Beachsoundとそのスタッフたちは称賛に値する」とFoHエンジニアとしてチェイスとステータスを担当する」とSean Rampton氏は述べている。同じ場所にいたAustralian act FonikoのHarry Nathan氏は、「我々はUltraでデビューコンサートを行なった。これは、これまでに体験した中で最高の音響ビジュアルセットアップとなった。特にサウンド品質は本当に信じられないくらいだった」と述べている。今回の音楽祭の見どころとなったKraftwerkはエレクトロニックミュージックの生みの親としても知られているが、そのパフォーマンスが注目を浴びた。ここでプロダクションマネージャーを務めるWinfried Blankも、「Beachsoundの多大なご支援に感謝する。d&bのチームスタッフとともに大きな成果を収めることができた。今回大成功を遂げたd&b Jシステムのチューニングに、本当に満足している。Kraftwerkの音楽は非常にストレートでパワフル。我々はクリアなバスとフル周波数特性を30 Hz以下という非常に低い領域でも保とうとしている。そして、その期待がそのままかなえられた結果となったのだ。Beachsoundとまた一緒に仕事ができればと思っている」と絶賛している。

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