Out of my brain on a train.
The Whoの名作「四重人格」の中でも一際存在感を放つ一曲「5:15」において、Roger Daltreyのパフォーマンスは圧倒的なパワーでリスナーの感情を揺さぶります。英紙Daily TelegraphのNeil McCormick記者は3月31日付けの記事にて彼のライブパフォーマンスをこう絶賛しています。「タイトでノリの良いサウンドは、この曲に新たな息吹を与えている。」彼のこのような素晴らしいパフォーマンスがあってこそ、Tennage Cancer Trust(以下TCT-10代のガン撲滅運動)10周年記念イベントが伝説と評されるようになったのです。 写真はLiam Halpin氏によるもの TCTにおけるDaltreyのイベント構成は、聴衆への抜かりない気配りに裏打ちされたバラエティーさに富んだものでした。Entec社のオーディオテクニカル部長であるLiam Halpin氏はイベント後にこう語っています。「9日間に渡るイベントにおいて、複数のバンドによるライブに加えてコメディーナイトを1日設けるなど、その素晴らしい構成は高評価を得て当然の仕上がりでした。」こうしたイベントにおいてはサウンドが全てではないとはいえ、決して手を抜く事は出来ない、Halpin氏はそう心に固く誓ったのだそうです。 「Entec社とはRoyal Albert Hallにおけるサウンドシステム構築において12年の付き合いがあり、毎回微調整を加え続けてきた結果、現在のメインシステム構成に落ち着きました。d&b J-Seriesのラインアレイ、フロントフィルにQ-Seriesのラウドスピーカー、C-Series ラウドスピーカーにB2、そしてJ サブウーファーに加え、E-Series ラウドスピーカーを各所フィル、前席、オーケストラ席に設置しました。さらには『四重人格』用にT-Series ラウドスピーカーをサラウンドシステムとして採用しているため、モニターキャビネットを含めd&bのラインナップ全てを使用したことになりますね。そう、円形の会場でサラウンドです!」 オーディオテクニカルチームの手際は見事なものであり、そのサウンドに聴衆は虜となりました。しかしこのようなシステムは外部のエンジニアにどう受け止められたのでしょうか?Halpin氏はこう語ります。「皆が大変満足していました。実際のところ、そうしたエンジニア達や(名は伏せますが)業界の大御所である人物にこれ程の賞賛を受けるとは思いもよりませんでした。これを可能にしたのは、d&bの製品が扱いやすく、妥協をせずにサウンドを追求することの出来る優れたシステムであるからなのです。スピーチ、ロック、ポップと何でも対応することができ皆が満足いく結果となりました。」 TCTチャリティーイベントにおいてDaltreyが成し遂げた偉業に疑いの余地はありません。年老いたロックスターが力を振り絞ってみせた、と見る向きもありますが、こうした活力は彼の体に刻み込まれており、若年時からずっと保ち続けられてきたものなのです。